ファレル・ウイリアムス「Happy」→『怪盗グルーのミニオン危機一発-』→『おおかみこどもの雨と雪』

ファレル・ウイリアムス「Happy」が今FMラジオなどで、頻繁に流れていますね。
先日はミュージック・ステーションにも出ていて、すごい人気ですね。

ファレル・ウイリアムス「Happy」→『怪盗グルーのミニオン危機一発-』→『おおかみこどもの雨と雪』この三つには共通点があります。
さて、なんでしょうか?

「Happy」はもともと『怪盗グルーのミニオン危機一発-』の主題歌だったんです。
去年の秋頃のこの映画を見に行って、とてもいい曲だなと思いました。
映画もとてもすばらしかった。怪盗ですから、
ものを盗んで大活躍するアクションも見所なんですが、
ステップ家族の幸せを描いているところで感動するところが多かった。
テップ家族、それは再婚したり、養子だったり、里親になったり、という家族。
アメリカでは、こういう家族を、
普通のエンターテイメント娯楽映画に当たり前に描いている。
これがすごいと思うのです。例えば、古くは「アーノルド坊や」ですね。
子どもの頃は何も考えないで見ていましたが、
アーノルドとお兄さんのウイリスは黒人で、
お父さんのドラモンドさんは白人でしたから、養子だったんですね。
アニメで言えば「ルイスと未来泥棒」も
孤児院で産まれた主人公がステップ家族との幸せを描いていました。
とにかく、多様な家族の在り方を描くという
アメリカの子ども向けエンターテイメントの姿勢がとてもいいなと思うのです。

いっぽう日本のアニメでは、やはり「さざえさん」や
「ちびまるこちゃん」「ドラえもん」どれも、家族の描き方は画一的です。

そこに風穴を開けたのが、『おおかみこどもの雨と雪』だったと思います。
おおかみと家族になる。
これだけでも、普通と違う家族だと思いますし、
その後母子家庭として、母の花と、雨と雪が一生懸命、
葛藤しながら生きていくすがたは、
いままでの日本のアニメには少なかった家族の物語だったと思いました。
そういう意味で家族の多様性、いろんな家族があっていいんだ、
ということを描いた『おおかみこどもの雨と雪』はとても革新的だったと思います。

そして、それを踏まえて、ファレル・ウイリアムスの「Happy」に戻ると、
こんな歌詞が出てきます。

Clap along if you feel like a room without a roof
Because I’m happy

だってハッピーだから
天井のない部屋のような気がするなら
ほら一緒に手を叩いて

屋根、つまり一つ屋根の下ともいうくらいですから、
屋根は既存の家族の形みたいなものを表していると思います。
その天井がない部屋というのは、普通形の家族じゃなくても、ハッピーだよ。
お互いがハッピーなら、形にこだわらなくてもいいよ。
と言っている気がするのです。

これでなんとなく、三つが繋がった気がしませんか?
家族の多様性の描き方が共通してるってことですね。